この度、広島市東区東蟹屋町(新幹線口より徒歩5分)に「ライフサポートクリニック広島」を開院致しました新宅恵子と申します。
当クリニックは、私自身の体験から生まれました。子育ては思い通りにいかないもの、ということは理解しておりましたが、実際に、自分とは全く異なる個性の子どもと向き合った時、それまでの常識や自分の価値観が覆されるようでした。気がついたら、自分を抑えることができず、子どもを虐待する親の気持ちまでわかる気が致しました。何がいけないのか、どうしてこんなことになったのかわからない。あの頃に戻りたい。やり直したい。そんな私が、ただ1つ、わかっていたこと。それは、このままこれを続けていたのでは、つまり、自分や家族の力だけでは、もう解決は難しいということでした。
まずは、子どもの学校の担任の先生に打ち明けました。学校の先生方が十分に理解を示して現在も協力してくださっていることは大変ありがたいことです。やはり、子どもの問題は家庭だけではうまくいかないことが多いのです。次に、子どものことを客観的に捉える術と、子どもの言動に対する対処法を具体的に示してくれたのが、米国カリフォルニア州で臨床の心理医として開業している私の姉でした。個性の強い子どもの子育てに苦慮している親御さんにとって、相談する場がほとんど無い(予約が取りづらい)という広島の現状を知り、私自身が自らの経験を活かして、同じように苦しんでいる方々のお役に立ちたいと思いました。
その頃、自身が障がい児の母であり、心理学、栄養学、親業を国内外で勉強された先輩から、子育てに欠かせない3要素は「愛情と栄養とトレーニング」だと教えて頂きました。そして、身体はもちろんのこと、脳の細胞の1つ1つに至るまで、口から摂取する栄養によって構成されていると考えると、カウンセリングだけでなく栄養指導も欠かせないと気付きました。ちょうどその時、私は健診センターで勤務しておりましたが、健診受診者(すなわち健康な一般の方)の中に、いわゆる生活習慣病またはその予備軍の方が大変多いことに改めて驚きました。糖尿病も高血圧も脂肪肝も、多くの場合、まずは生活習慣の見直し、食生活の見直しが必要です。ところが、健診受診者の方は、通り一遍の栄養指導は聞き飽きた、と栄養指導を受けずに帰宅される方が大半でした。もっと個別の対応ができれば、栄養指導に耳を傾ける方が増えるのではないか、との思いから、これこそ、私が内科医としてお役に立てることだと考え、児童・思春期精神科と内科(ダイエット外来)を合わせ持つ、統合医療のクリニックの開業を決意した次第です。
通常の保険診療の枠では難しいとされる、お一人お一人に対して個別に十分な相談時間をお取りするために、いろいろ思案した上、完全予約制という形にこだわりました。当クリニックは、ただ通えば治してくれるクリニックではございません。その立場や考え方に「共感し」、その苦しみやいら立ちに「寄り添い」、そしてその決意や実行を「支える」クリニックです。
まずはお気軽にご相談ください。
謝辞
この度の開院に際しましては、たくさんの方々にお力添えを頂きまして誠にありがとうございます。皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。中でも、前日本心理臨床学会会長/前京都文教大学学長の鑪 幹八郎先生には、広島大学附属心理臨床教育研究センター長の岡本祐子教授を初め、広島でご活躍の心理臨床家の先生方をご紹介賜り、かつ、心理学の専門家ではない私に、内科医が心理相談部門を運営統括していく上での指針を強く示してくださいましたことを心より感謝申し上げます。また、親業訓練協会シニアインストラクターの下村亮子先生には、私の理念にご賛同くださり、先生自ら、当クリニック内での、親業を用いてのカウンセリングをお引き受け頂きましたこと、大変ありがたく、心強く、感謝申し上げます。一人でも多くの方のためにお役に立てるよういっそう努力して参りますので、今後とも、よろしくお願い申し上げます。